「うちの女房にゃ髭がある」のできるまで。後編
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ところで私が古い流行歌を聞くようになったのは、昔の喜劇の人とかが歌っている面白い歌、いわゆるコミックソングとか、そういうのを聞きたいなあと思ったのがきっかけです。
つまりエノケンとか二村定一、古川ロッパや岸井明なんかのですね。
今回の杉狂児もそんな中の一人なんですけれども。
そうやって古い歌をいくつか聴いているうちに、これはどうも面白い歌だけが面白いわけではないぞ、という事にやがて気づいていくわけです。

それはともかく、

「できるまで」後編を進めて参りましょう。

例の仕切りの向こうに松の木を植えます。

松葉の所はこういう形にしました。

そして同じ物を流用しました、変化のつけようがあまり無いので。
松の木というものは表現主義的な植物なのです。

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じつはこの松を作る前に、本物の松の木は、あるいは松葉の集まりというのはどういう形になっておるのかと、写真とかを見ながら作ってみたところ、

このような物が出来てしまいました。

配置してみましたところ。
ほれごらんのとおり、絵全体の中で松葉の部分だけが浮いていますね。

作り直した方。
幾分なじんだでしょ。

このようにIllustratorでパーツごとに作るような描き方をしているときは全体のバランスに気を配る事が大切です。

というわけで、ここで一度人物も配置してみます。
お父さんの服が背景の色とかぶっていますね、要変更ということで。

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地面です、色だけでは寂しいので、なんかこんな模様です。
雰囲気です雰囲気。

色を変えてひらべったくして敷石を並べました。

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玄関の中です。
戸の隙間から見える部分。
透明マスクで上の方を暗く。
その上の方をこんなに広くとったのは、

格子戸のいちばん上のガラスを透明にしたかったからです。
実際にこういうふうになっている玄関のガラス戸は多かったようです。
わかりにくいかもしれませんが、あらよく見れば透けてるのねえ、ぐらいでいいと思います。

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玄関の右下に置く鉢植え。
これは松葉の対角にも緑がほしかったので。

すずめ。
屋根にとめます。

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塀というか柵というか、曖昧な高さの囲いのような物。
一番手前に置きます。

さて太陽ですが、このシリーズではこんなふうに顔のある太陽や月をいれることが恒例になっておりました。
はたしてこれが必要かどうかは、自分としても疑問であったわけですが、まあ今回は原点に帰るという事で、入れておきましょう。

ということで。

ほぼパーツがそろいましたので、全体像を見てみます。

おや、なぜふたつ?
よく見てみれば右の方は家が少し変形されていますね。
どっちがいいかなあという事なんですが。
まあ変化があった方が面白いので、右でいこうかな、と思います、今回は。
変化を付けない時はいっさい付けないという方針でやっていたと思います。
ファーストシーズン参照。

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あとこのシリーズではパーツごとに軽くドロップシャドウをかけています。
これは一貫してそうです。
塗りだけの絵なので、背景と前景の境をはっきりさせようという目的でやってみたのだと思います。
それなりに面白い効果もあるのでこのシリーズの慣例としました。

まず作業として、ドロップシャドウをかける物ごとにレイヤーを別けます。
まあわかりやすくする為です。
今回でいえば、空と雲と太陽とか、地面と敷石の間とかにはシャドウをかけないのでまとめておきます。
しかし女の子は格子戸の中と外に分かれているので、頭と手と胴体が別々になります。
つまりそういうような事です。

これぐらいの感じです。
あまり細かく付けないでそれぞれの輪郭のみにしておきます。

うちの女房にゃ髭がある

もろもろ微修正をいたしまして、
これで完成といたしましょう。

おつかれさまでした。

 

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